理事を務める参議院「資源エネルギーに関する調査会」で質問に立ちました。テーマは「原子力問題に関する件」であり、原子力規制委員会の活動状況についてですが、原子力政策を遂行する経済産業省にも伺っています。
東日本大震災及び原子力発電所の事故から10年余となります。まずは、福島第一原発の廃炉作業の現状と今後について、廃炉工程の現状や、コロナ禍における作業への影響、デブリ処理、デブリ以外の処分そして廃炉の最終形などについて質問しています。
来週にもALPS処理水の取り扱いについて国際原子力機関(IAEA)の幹部が福島第一原発を訪問し、評価することが決まりニュースでも流れています。たまり続ける処理の現状は、来年春には放出する予定です。何より漁業関係者へ充分配慮し、透明性をもって正確に事実を伝えて頂きたい、風評被害を防いで頂きたい。折しも、台湾がこの11年間維持してきた福島産食品に対する禁輸措置の解除を発表したのです。もっと国内外へ安心を発信して頂きたい旨、要望しました。
さて、我が国で再稼働している原発は、現在9基です。稼働している限りは、いわゆる核のゴミ(使用済燃料)を毎年約1,000トン出します。中間処理施設もままならず、当然最終処分場もない我が国の現状ですから、21年度末には約19,000トンが各原子力発電所の施設内で保管されており、各発電所ともに保管状態は約90%に達しこれ以上の保管の場所がありません。再処理し、ガラス固化体にすると約26,000本にも上りますが、NUMO(国の機構)は約40,000本を保管できる施設を計画しているとしておりますが、はたして安心できるでしょうか。それならば、その施設の場所はどこなのでしょうか。お察しのとおり、未だ決定されていないのが現実です。
そもそも原子力発電は、我が国でも再処理して取り出したプルトニウムとウランを混ぜた燃料を再利用する、いわゆるプルサーマル計画がありますが上手くいっておりません。資源のリサイクル(安定供給)に魅力があり、経済性も、環境にもいいとのはずが、一方で、このような現状に、「トイレ無きマンション」とも揶揄されております。
最終処分しかり、中間貯蔵しかり、このリサイクルが立ち行かない現状にたいして「改めて今の核燃料サイクルは破綻している、政府は勇気ある決断を」と経済産業省副大臣並びに原子力規制委員会、委員長出席のもと訴えました!
今年は、この後も議論を重ね、「エネルギーの安定供給」とのテーマで参議院において最終報告書を取りまとめる予定です。
国民の暮らしの安心安全、生活向上に利するよう、今後も頑張ってまいります!
参議院審議中継(約20分ですので是非ご覧下さい)
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